ポーカーには、コール・レイズ・チェック・フォールドという4つのベットアクションがありますが、そのなかでもレイズは最も攻撃的なアクションです。有効なタイミングでレイズを使うことができれば、戦局を優位に進めることができるでしょう。反対に、タイミングを誤ると大きな損失を被る可能性があるため、レイズをする目的や戦略について理解しておく必要があります。そこで、今回はポーカーにおけるレイズの基礎知識や、効果的な使い方などについて詳しく解説していきます。
ポーカーのレイズとは
ポーカーにおけるレイズとは、相手のベットに対して賭け金を上乗せするアクションのことです。ベットに対して上乗せする額はテーブルによって異なりますが、レイズが成立するには最低でも倍額以上をベットする必要があります。
例えば、1対1(ヘッズアップ)の場面で相手が20ドルをベットしたとしましょう。この時、自分にはコール・レイズ・フォールドの3つの選択肢がありますが、40ドル以上を賭けることでレイズが成立します。
ポーカーには、次のラウンドに進むためにはプレイヤー全員が同額を賭けなければならないというルールがあります。そのため、自分がレイズしたことで相手が諦めてフォールドすれば、相手が既に賭けた20ドルは自分のチップになるという仕組みです。
このように、レイズは相手のベットに対して自分から勝負を仕掛けるという特性から、非常に攻撃的なアクションといえるでしょう。
レイズとあわせて覚えておきたい関連用語
リレイズ
リレイズとは、自分がレイズをした後に他のプレイヤーがさらにレイズすることです。リレイズされることで、その額に対してコール・レイズ・フォールドの選択を迫られることになります。
例えば、基準となるベット額が100ドルだった場合に、相手が200ドルでレイズしたとしましょう。この時、リレイズするには200ドルの倍額である400ドルが必要だと思うかもしれませんが、そうではありません。このケースにおけるミニマムレイズ額は、以下の計算で求めることができます。
直前にレイズされた金額(200ドル)+直前のレイザーが上乗せした金額(100ドル)=ミニマムレイズ額(300ドル) |
レイズの場合は直前にベットされた額の倍額以上であれば問題ありませんが、リレイズする際のミニマムレイズ額はこのように計算することを覚えておきましょう。
なお、プリフロップやフロップ以降でレイズする際の適正額については、後ほど詳しく解説します。
チェックレイズ
チェックレイズとは、自分は一度チェックしておき、相手がベットしてきた後にレイズするという戦略のことです。基本的に、チェックレイズは自分のハンドが強い場合に行います。
適切な額でチェックレイズをすることによって、既にベットをしてしまっているプレイヤーはコールしてくれる可能性が高まります。つまり、チェックレイズを上手く決めることができれば、相手から多くのチップを引き出すことができるのです。
ただし、あまりに高額なレイズをした場合や相手が慎重なプレイスタイルの場合には、単純にフォールドされて終わりになってしまう可能性もあるため注意しましょう。
ポーカーでレイズが効果的な場面
ポーカーのレイズがどのようなアクションなのかは理解できたと思いますが、実際にどの局面でレイズを選択するべきなのでしょうか。ここでは、レイズが効果的な場面を3つ紹介していきます。
相手をフォールドさせたい
まず、相手をフォールドさせたい場合にレイズを行います。相手がゲームを続けるにはコールかリレイズを選択する必要がありますが、ハンドが強くなければチップを賭けたくないはずです。そのため、レイズすることによって相手がフォールドしてくれることが期待できます。
相手にベットさせたい
次に、相手にベットさせたい時もレイズは有効です。たとえば、場に出ているカードから自分のハンドが最も強いと予測できたとしましょう。この場合、相手からより多くのチップを引き出すことができれば、それが自分の利益となります。
ここで注意しなければならないのが、あまりに高額なレイズをしてしまうと相手がフォールドしてしまう可能性が高いということです。相手にコールさせるために、適切な額をレイズするようにしましょう。
相手が強いハンドを持っているのか確認したい
最後に、レイズは相手のハンドの強さを確認したい場合にも効果的です。自分がレイズすることで、相手はコール・リレイズ・フォールドの選択を迫られます。この時に相手がコールやリレイズを選択すれば、ある程度の勝率が見込めるハンドである可能性が高いと判断できるでしょう。
ポーカーでレイズする際の注意点
プリフロップでレイズする割合は3BBくらいが基本
プリフロップでレイズする場合には、ビッグブラインド (BB)の額に対して3倍のレイズをすることが一般的です。このビッグブラインドに対して3倍のベットをすることを、ポーカー用語で「3BB」といいます。
中級者以上のテーブルであれば、3BBのレイズに対してハンドが弱いプレイヤーはフォールドを選択します。しかし、相手が初心者の場合はフォールドを選択しないケースがあるため、どれくらいの額であればフォールドしてくれるのかを探っていきましょう。
なお、3BBに対して自分がリレイズしたい場合は、3BBの3倍である9BBで打ち返すことが一般的です。
フロップ以降で相手を下ろしたい場合はハーフポット〜フルポットのレイズをする
フロップ以降で相手をフォールドさせたいのであれば、ハーフポット~フルポットくらいでレイズするといいでしょう。これによって相手の期待値をマイナスにすることができ、フォールドを選択する可能性が高くなります。
期待値をマイナスに追い込むことができれば、もし相手がコールを選択してきたとしても、こちらに有利な勝負に持ち込むことが可能です。さらに、フルポットでレイズすることで期待値がより低くなれば、相手に対して相当なプレッシャーをかけることができます。
なお、ポーカーの期待値について以下の記事で詳しく解説していますので、こちらも参考にしてみてください。
フロップ以降でコールしてほしい場合はポットの1/3程度のレイズをする
フロップ以降で相手にコールしてほしい場合には、ポットの1/3程度を目安にレイズするといいでしょう。上述のとおり、ハーフポット以上でレイズすると相手の期待値をマイナスに追い込むことができる場合がありますが、フォールドされるとバリューを取りきることができません。
自分のハンドが強くて相手から多くのチップを引き出したい場合には、ポットの1/3程度を基準にレイズしてみてください。
リレイズされることを想定しておく
自分がレイズすることによって、相手はコールやフォールドではなくリレイズを選択する可能性があります。相手がリレイズをしてきた場合、今度は自分がどのアクションをとるのか選択を迫られることになるのです。
自分のハンドや期待値を冷静に分析し、期待値が合わないのであれば潔くフォールドすることも検討しましょう。
レイズのサイズを固定しすぎると読まれやすくなるので注意する
相手にフォールドしてほしい場合にはハーフポット、コールしてほしい場合には1/3ポットでレイズするなど、レイズのサイズを固定しすぎてしまうと、相手に行動パターンを読まれるリスクが高くなります。
ここまで紹介してきたレイズのサイズは、あくまでも一般的な基準のひとつです。ときにはブラフを織り交ぜるなど、相手にこちらの意図を読まれないような立ち回りを意識しましょう。
まとめ
今回は、ポーカーにおけるレイズの基礎知識や効果的な局面について解説してきました。レイズを上手く使うことで勝負を優位に進めることができますが、多くのチップを失うリスクもあるため戦略について学ぶ必要があります。
この記事で紹介した注意点などを参考にしていただき、勝算がある場合には積極的にレイズすることで勝負を仕掛けていきましょう。
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