ポーカーで利益を上げていくためには、ポーカーのスキル以外にも非常に重要な要素があります。それが、バンクロール管理です。ポーカーは少なからず運も関係するゲームであり、資金管理を怠ってしまったことで破産してしまうプレーヤーもいます。そのような事態を避けるために、本記事ではバンクロール管理の重要性や注意点、具体的な管理方法などについて詳しく解説していきます。
ポーカーのバンクロールとは
バンクロールとは、ポーカー専用の資金総額のことを指します。重要なのは、このバンクロールを日常生活の支出やポーカー以外の目的には使用しないことです。
多くのオンラインポーカープレーヤーが、バンクロールを自分のポーカーアカウント内の資金と誤解していることがありますが、これは正確な意味とは違います。
例えば、自分がポーカーに最大500ドルを使うと決めていて、オンラインカジノのアカウントに200ドル入っている場合、実際のバンクロールは500ドルになります。
このバンクロールを無くさずに効果的に増やしていくためには、適切なバンクロール管理が必須です。
バンクロール管理の重要性
ポーカープレーヤーにとって、ポーカーのスキルと同じくらいバンクロール管理は重要です。バンクロール管理が重要とされている理由は、主に3つあります。
自分の実力を把握するため
ポーカーの実力を正確に評価するためには、統計的に見て少なくとも10万ハンドのプレイが必要だとされています。そのため、自身の実力を把握するには、10万ハンドをプレイするまでステークス(賭け金のレベル)を変えないことがポイントです。
しかし、バンクロール管理が不十分なプレーヤーは、異なるバイイン(参加費)のトーナメントやキャッシュゲームに参加しがちです。これにより、資金が減少した時にその原因が単なる運の問題なのか、それとも自分のスキルの問題なのかを区別することが難しくなってしまいます。
自分の実力を正確に把握し、スキルアップにつなげるためにも、バンクロール管理は徹底しましょう。
資金がゼロになるのを防ぐため
適切なバンクロール管理ができないプレーヤーは、いずれ資金を失う可能性が高いです。金額の多寡にかかわらず、多くのプロポーカープレーヤーが自分のポーカー資金をゼロにしてしまった経験を持っています。
実際に、Daniel Negreanu(ダニエル・ネグラヌ)やViktor Blom(ビクター・ブロム)のような世界トップクラスのプレーヤーでさえ、バンクロールを一度は失ったことがあると報告されているのです。
マネープレッシャーを抑えるため
適切なバンクロール管理ができていない状態でゲームに参加すると、マネープレッシャーが発生しやすくなります。マネープレッシャーとは、チップを失うことに対する恐怖や躊躇を感じる状態のことです。
例えば、バンクロール管理を適切に行うことにより、本来はオールインをすべき場面にも関わらず、資金を失うことを恐れてチェックしてしまうような行動を避けることができます。
マネープレッシャーを引き起こすこと大胆な勝負ができず、結果的に資金が目減りしていくという悪循環に入ってしまうおそれがあるため、バンクロール管理は重要といえるでしょう。
具体的なバンクロール管理方法
ここからは、具体的にどういった基準でバンクロール管理を行えばいいのか解説します。
トーナメントに出場した場合
マルチテーブルトーナメント(MTT)におけるバンクロール管理では、一般的に1%が最低ラインといわれています。これは、100回のバイインが可能な金額を意味し、例えば10ドルの参加費のトーナメントに参加するには、最低1,000ドルのバンクロールが必要ということです。
ただし、これはあくまでも基本の最低ラインであり、リエントリーが可能なトーナメントやレイトレジストが長いトーナメント、スターティングチップが少ないトーナメントなどでは分散が激しいため、より大きなバンクロールが必要となります。
どのようなトーナメントに参加するかによって適切な額は異なるため、バンクロールに余裕を持った状態で出場するようにしましょう。
キャッシュゲームに参加した場合
キャッシュゲームにおけるバンクロール管理については、バンクロールの約5%、つまり20回分のバイインが可能な金額を最低ラインとして設定することが一般的です。また、より堅実にプレイしたい場合は、50バイインが目安ともいわれています。
例えば、10ドルのバイインでキャッシュゲームに参加する場合は、少なくとも200ドルのバンクロールが必要です。よって、20ドルのステークスに移行したくなった場合は、バンクロールを400ドル以上に増やさなければなりません。
形式がSpin & Goの場合
Spin & Goとは、基本的に3人で行うハイパーターボ形式のSit and Goトーナメントです。参加者が登録すると、ルーレットによってプライズが確定します。
このようなSpin & Go形式の場合は、バンクロールの2%、つまり50回バイインできる金額を最低ラインとするのが一般的です。しかし、このゲーム形式では勝率によって必要なバンクロールが大きく異なることがあります。
例えば、勝率があまり高くないプレーヤーの場合、100回分のバイインが必要な場合もあります。一方で、平均終了順位が高いプレーヤーであれば、バンクロールの2%以下でも十分な場合があります。
Spin & Goは、プレーヤーのスキルによって結果の分散が大きく異なるため、特にバンクロール管理が重要な形式といえるでしょう。
バンクロール管理の注意点
バンクロール管理には一般的な基準がありますが、プレーヤーによって適した方法は異なります。以下の注意点を把握し、自分にとって適切なバンクロール管理を行いましょう。
自分のスタイルや実力によって基準は変わる
自分のプレイスタイルやスキルによって、必要なバンクロールの大きさは異なります。例えば、勝率70%のプレーヤーは、勝率50%のプレーヤーよりも少ないバンクロールで済む可能性が高いでしょう。
プレーヤーのスキルや使いたい戦略によっても変化するため、これらの要因に合わせてバンクロールを調整することが、勝率を上げるために重要といえるでしょう。
適切なステークスを選択する
ステークスとは、プレイするテーブルの最小サイズのベット額のことです。例えば、50NLのステークスで勝てない場合は、より低いステークスへ移動しましょう。勝率を安定させることが重要なので、50NLで結果が出ない時は、10NLや4NLなどの低いステークスでプレイすることをおすすめします。
ステークスを選択する際の一般的な基準は、そのステークスで10回分のバイインを損失したら、一つ下のステークスに移動することです。一方で、選択したステークスで40回分のバイインを稼いだ場合は、より高いステークスへの移行を検討してもいいでしょう。
まとめ
今回は、ポーカーにおけるバンクロール管理の重要性や注意点、具体的なバンクロール管理方法などについて解説しました。バンクロール管理は、ポーカーをプレイするうえで避けては通れない問題です。特に、プロのポーカープレーヤーの場合、バンクロール管理は生命線ともいえます。何となく考えるのではなく、具体的な基準を設けることで適切なバンクロール管理を行いましょう。
コメント