ポーカーをプレイしていると、カードが配られる前に「ストラドル!」と発声してベッドするシーンを見たことがある方もいるのではないでしょうか。ストラドルはオプションプレイのひとつであり、その仕組みを理解しておくことでゲームを有利に進められる場合があります。そこで、今回はポーカーにおけるストラドルについて、基礎知識やメリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。
ポーカーのストラドルとは
ポーカーのストラドルとは、プリフロップの時点で SB(スモールブラインド)やBB(ビッグブラインド)に加えてさらにブラインドを支払うことで、プリフロップのみ最後にアクションできるオプションプレイのことです。
どのプレイヤーがストラドルを選択できるのかはハウスルールによっても異なりますが、UTG(アンダーザガン)のプレイヤーが行うことが一般的です。また、場合によってはBTN(ボタン)のプレイヤーがストラドルを選択することもあります。
通常、ストラドルはBBの2倍のチップを支払うとされていますが、ハウスルールによっては2.5倍やそれ以上の額を要求されることもあります。また、ストラドルを受けて、その左隣にいるプレイヤーがさらに2倍のチップを支払うことを「リストラドル」といいます。
注意点として、プレイヤーがストラドルを行う際は、チップをテーブルに出して「ストラドル」と宣言しなければなりません。さらに、ディーラーがカードを一枚でも配ってしまうと、ストラドルは認められなくなる点にも注意が必要です。ストラドルを希望する場合は、ディーラーがカードを配り始める前に、明確にその意思を伝えるようにしましょう。
ポーカーにおけるストラドルの種類
ポーカーのストラドルは、どのポジションから行うのかによって種類が分かれます。ここでは、3つのストラドルについて確認していきましょう。
BTNストラドル
BTN(ボタン)のプレイヤーがストラドルを行うことを「BTNストラドル」といいます。そもそも、BTNはプリフロップで最後にアクションができるポジションであるため、ストラドルを行うことは一見意味のない行為に思えるかもしれません。
しかし、有利なポジションで大きなポットをプレイできるという理由から、BTNストラドルを好んで選択するプレイヤーも多くいます。また、他のポジションからレイズが入ったとしても、ポジションが有利であるためコールしやすいというメリットもあるのです。
さらに、パッシブなプレイヤーが多い場合、BTNストラドルでアグレッシブにプレイしていくことで、相手にマネープレッシャーをかけていくこともできます。
ただし、どのポジションでストラドルが許されるかは、ポーカールームやカジノによって異なるため、事前にディーラーやフロアスタッフに確認しておきましょう。
UTGストラドル
通常、UTG(アンダーザガン)はプリフロップで最初にアクションをする必要があるため、不利なポジションとされています。そこでUTGストラドルを行うことにより、有利なポジションでゲームに参加することが可能です。
ストラドルは、UTGのプレイヤーが行うことが一般的であり、UTGストラドルのみ認めるというカジノも多く存在します。また、仮にBTNまでフォールドで回ったとして、SB・BBがコールやレイズをしてきたとしても、フロップ以降を有利なポジションで進められるという点もメリットのひとつです。
ミシシッピストラドル
ミシシッピストラドルは、SBやBB以外のポジションから実行できるオプションプレイです。ミシシッピストラドルを行った場合、その隣のプレイヤーからプリフロップのアクションがスタートします。
例えば、もしBTNのプレイヤーがミシシッピストラドルを選択した場合、SBからアクションが開始されます。ただし、多くのカジノでミシシッピストラドルは認められておらず、実際に見る機会は少ないでしょう。
海外のカジノにおいては、UTGストラドルが頻繁に見られます。これから海外でポーカーをプレイする予定があるという方は、ストラドルに関する基礎知識をしっかりと把握し、対応できるように準備しておきましょう。
ポーカーのストラドルがもたらすデメリット
ポーカーのストラドルは、アクションを最後に行えるという点から効果的な戦略に思えるかもしれませんが、実際には期待値を低下させるプレイといわれています。本来、BTNやUTGのポジションでハンドが弱ければ、無理にゲームに参加する必要はなく、フォールドしてもチップを失うことはありません。しかし、ストラドルはハンドを確認する前にベットする必要があり、自分の勝率が不明なままベットすることは期待値を下げる行為といえます。
また、他のプレイヤーが強いハンドでゲームに参加してきた場合、不利な状況でゲームを続けることにもなってしまいます。そのため、ストラドルは期待値を低下させる可能性があることを十分に理解したうえで行うことが重要です。
なお、ポーカーにおける期待値の計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。期待値の計算は勝率を上げるための重要な要素となっているため、ぜひ参考にしてみてください。
ポーカーのストラドルにはメリットもある
先述したとおり、ポーカーのストラドルは期待値を下げてしまう可能性があるプレイです。しかし、ストラドルを行うことによるメリットもあります。
ストラドルがある場合の戦略を覚えていればリードできる
ポーカーでストラドルが入ると、プリフロップから戦略が大きく変動します。通常のゲームでプリフロップのハンドレンジを勉強している方は多いですが、ストラドルが入った場合のハンドレンジにまで精通しているプレイヤーは多くありません。
そのため、ストラドルが入った際の戦略を学習しておくことで、他のプレイヤーに比べて大きなアドバンテージを持つことができるでしょう。
相手がパッシブなプレイヤーだった場合にプレッシャーをかけられる
相手がパッシブなプレイヤーだった場合、ストラドルでポッドを大きくすることによってマネープレッシャーをかけることができ、相手をフォールドに追い込むことが可能です。そのため、ポッドが大きくなることでプレッシャーを感じてミスをしやすい相手に対しては、ストラドルも有効な戦略となるでしょう。
獲得できるチップが増える
ストラドルを行うことで、動く金額を強制的に大きくすることができるため、勝利すれば大きなポットを獲得することができます。特に、自分よりもスキルが劣っているプレイヤーが多い場合、普段のゲームよりも大きく稼ぐことが可能です。
ただし、ストラドルによってレートが2倍に上がるということは、負けた時の損失も2倍になるということです。海外のカジノなどでポーカーをプレイする際は、ストラドルが行われているテーブルかを事前に確認したうえで参加することをおすすめします。
まとめ
今回は、ポーカーにおけるストラドルについて、その基礎知識やメリット・デメリットなどについて解説してきました。基本的に、ストラドルは期待値を下げるアクションといわれていますが、テーブルによっては有効な戦略にもなり得ます。ストラドルの特性をきちんと理解して利用することができれば、獲得できるチップがこれまでより多くなるかもしれません。ぜひとも今回の記事を参考にしていただき、ストラドルが入った場合にも対応できるよう準備しておきましょう。
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