テキサスホールデムポーカーでは、ポジションが重要だといわれています。「ポジション」とは、テーブルに座る位置やゲームを進める順番を意味します。とはいえ、なぜ手札ではなく順番が重要視されるのか、疑問に感じる方は多いのではないでしょうか。
今回は、ポーカーのポジションの重要性や意味、ポジションごとの戦略の考え方を紹介します。
【テキサスホールデムポーカー】ポジションの基礎
ポーカーにおける「ポジション」とは、テーブルに座る位置を指します。
テキサスホールデムポーカーでは、2~10人程度のプレイヤーが同じテーブルについて順番にチップを賭け、5枚のカードで役を作って勝敗を決めます。このゲームを進める順番は、テーブルで座る位置、すなわちポジションによって決まるのです。
テキサスホールデムポーカーでは、ポジションは大きく4つに分類され、参加人数によって個別のポジションが割り振られます。10人でゲームをするときのポジションを、アクションが早い順に表で見てみましょう。
大きなポジション | 個別のポジション |
ブラインドポジション(Blind position:BP) | スモールブラインド(Small Blind:SB)ビッグブラインド(Big Blind:BB) |
アーリーポジション(Early position:EP) | アンダー・ザ・ガン(Under the gun:UTG)アーリーポジション2(Early position2:EP2)アーリーポジション3(Early position3:EP3) |
ミドルポジション(Middle position:MP) | ミドルポジション1(Middle position1:MP1)ミドルポジション2(Middle position2:MP2)ミドルポジション3(Middle position3:MP3) |
レイトポジション(Late position:LP) | カットオフ(Cut off:CO)ディーラーボタン(Dealer Button:BTN) |
ポーカーでポジションが重要とされているのは、アクションを起こす順番によってゲームが有利になったり、不利になったりするからです。これは、相手がプレイする様子から伏せられた手札を読み取り、駆け引きを楽しむという、ポーカーの戦略的なゲーム性が関係しています。
アクションが遅いポジションのほうが、ほかのプレイヤーの動きを見られるためゲームで優位に立ちやすくなるのです。テキサスホールデムポーカーでは、BTNがもっとも有利で、SBがもっとも不利だといえるでしょう。
テキサスホールデムポーカーにおける4つのポジション
それでは、大きな4つのポジションの特徴や重視すべき戦略を見ていきましょう。
ポジションを割り振る前に、ゲームの最初にディーラーボタンを置く位置を決めることが必要です。まずプレイヤー全員に1枚ずつカードを配り、最も大きいカードのプレイヤーがディーラーボタンを獲得します。その左の席から、ブラインドポジション・アーリーポジション・ミドルポジション・レイトポジションと、時計回りにポジションを割り振ります。
ブラインドポジション(BP)
スモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)のふたつの個別ポジションからなる、強制的にブラインドベッドを強いられるポジションです。
ゲーム開始とともに、SBは最低掛け金の半額を、BBは全額をベットするよう求められます。
1ラウンド目のプリフロップ以降は、最初にアクションを起こす位置でもあります。不利になりやすいので、守りに重点を置いた判断を意識してプレイするのがおすすめです。
アーリーポジション(EP)
10人でポーカーをする場合、アンダー・ザ・ガン(UTG)、EP2、EP3の3人のプレイヤーが含まれます。プリフロップではUTGからアクションを起こしていくため、周りの様子をうかがうことができません。
ゲームに参加するか降りるかを判断する情報が少なく、比較的不利になりやすいポジションです。BP同様に、守りを意識した戦略が求められます。
ミドルポジション(MP)
10人でポーカーをするときは、MP1、MP2、MP3のプレイヤーが含まれます。「アーリーミドル」「レイトミドル」とも呼ばれており、プリフロップではちょうど中間にアクションを起こすポジションです。
それぞれの有利・不利の特性から、BTNより3つ手前のMP2はロージャック(LJ)、2つ手前のMP3はハイジャック(HJ)と呼ばれます。
レイトポジション(LP)
ゲーム後半にアクションを行うポジションで、カットオフ(CO)とディーラーボタン(BTN)から構成されます。6人でポーカーをする場合は、BTNのみがLPに位置します。
ほかのプレイヤーの様子を見てからアクションを起こせる有利なポジションなので、攻めを意識した選択をしてみてください。
テキサスホールデムポーカーの個別ポジション
ここでは、より細かなポジションの特徴と戦略を見ていきましょう。
スモールブラインド(SB)
BTNの左隣に位置する、強制的にブラインドベットを強いられるポジションです。このときにベットする金額が少ないことから「スモールブラインド」と呼ばれます。
プリフロップ以降は最初にアクションを起こすことから、ほかのプレイヤーの役を予想する材料が不足しがちです。ゲームで不利になりやすいため、最も守りを意識する必要があるポジションといえるでしょう。
ビッグブラインド(BB)
SBの左隣に位置し、最低掛け金の全額のベットを求められるポジションです。金額の大きさから「ビッグブラインド」と呼ばれています。
プリフロップではSBの次にアクションを行い、フォールド、コール、レイズのいずれかを判断します。フロップ以降も2番目にアクションを決めるポジションなので、不利であることに変わりはありません。
アンダー・ザ・ガン(UTG)
EPの筆頭となるポジションです。この呼び名には「銃口を向けられているほど危険」という由来があるといわれています。
プリフロップではUTGが先頭をきり、自分のカード以外の判断材料がない状態でアクションを起こさなければなりません。以降もアクションの順番が早く、不利になりやすいポジションです。
ディーラーボタン(BTN)
プレイヤーのなかで最後にアクションを起こせるため、テキサスホールデムポーカーで最も有利なポジションです。大きな分類ではLPに含まれていますが、ディーラーボタンがテーブル上に置かれているので、ひと目で最後のプレイヤーだと判別できます。
すべてのプレイヤーの動向を見てから戦略を立てられるため優位性が高く、攻めを意識したアクションを起こしやすいでしょう。
カットオフ(CO)
BTNのひとつ手前のポジションで、LPに含まれます。10人でゲームをする場合は9番目にアクションを起こすので、BTNの次に有利に立てます。
BTNの動向に警戒が必要であるものの、順番が早い8人のプレイヤーの様子を参考に最適な判断ができるため、攻めを主体とした戦略を練りやすいポジションです。
ハイジャック(HJ)
BTNのふたつ手前のポジションで、10人中8番目にアクションを起こします。MPに含まれるものの、ロージャック(LJ)の動向を確認してからアクションを起こせるため有利に立てます。
前のプレイヤーから得た情報をもとに、冷静な判断をしやすいでしょう。
ロージャック(LJ)
BTNの3つ手前のポジションで、10人中7番目にアクションを起こします。半分以上のプレイヤーの動向を確認してから判断ができるものの、LPが残っているため油断はできません。
攻めと守りのバランスを意識した戦略が求められます。
まとめ
ポーカーは相手の様子から、見えないカードを推理しながらプレイする戦略性の高いゲームです。テーブルに座る位置によって有利にも不利にもなります。
とはいえ、ポジションの特徴やそれぞれの優位性をよく理解しておけば、戦略の幅を広げられます。自分のポジションに合った方法でゲームを進めて、勝利を目指しましょう。
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